- 薬剤師ってどんな理由で離婚するの?
- 結婚・離婚ではどんなことで悩んだり困ったりする?
- 薬剤師の離婚についてリアルな話を聞いてみたい
薬剤師としてキャリアを重ねる中で、プライベートで悩みや問題を抱える人は少なくありません。
正直な話、自分が離婚するなんて想像もしていませんでした。
今回は、結婚生活の中で直面した悩み・問題や離婚を決断したタイミング、離婚して得られたことについて記事にまとめました。
“離婚=人生の終わり”ではなく、新たな始まりであることが伝われば幸いです。
この記事を通して、異なる立場や性別の方々に不快感を与える意図は一切ありません。
さまざまな価値観・経験があることを理解し、尊重していただけますとありがたいです。
薬剤師の結婚生活で起こった問題やトラブルの一部を紹介
ここでは、私が経験した薬剤師の結婚生活での問題点やトラブルを紹介します。
思い返せば、お互いに未熟だったと思う喧嘩もありますが、当時の私にとって大きな悩みだったものばかりです。
奨学金返済の問題
結婚生活で最初のトラブルになったのが奨学金の返済です。
薬剤師4年目のタイミングで結婚しましたが、その時点では15年以上の返済期間が残っていました。
私は繰上返済せずに定額を返済するつもりでしたが、当時の奥さんは猛反対です。
- 奨学金=借金
- 繰上返済して利息負担を減らすのが得策
- 将来のための貯金も考えて欲しい
彼女の言うことは至極当然のことで返す言葉もなく、とにかく繰上返済する方針へ変わりました。
それだけならよかったのですが、事あるごとに奨学金の話を持ち出されたんです。
心の底から納得して繰上返済したわけでもありませんので、ストレスは溜まり、我慢しなければと思ってしまいました。
「病院勤務はやめて」
私の勤務先についても意見が分かれました。当時、公務員病院で4年目の薬剤師として働いており、仕事に対して充実感を覚え始めた頃だったのです。
- 公務員病院は手取りが少ない
- 残業も多いから体調を崩さないか不安
- 休日の夜勤もあるから出かけられない
奨学金の問題も重なり、金銭面・健康面・家庭生活すべてに支障が出るという理由で転職することになりました。
ただ、もう少し私の仕事へのやる気を尊重してほしかったですね・・・。
病院の仕事にも慣れ、できることも増えたタイミングの転職だったので、不満に感じたできごとでした。
価値観や考え方の違いのズレを埋めるのは本当に難しいと思います。
バレンタインでもらったチョコが火種に
当時の奥さんの意見に従い、転職したあとに起こった事件です(笑)
転職先の薬局で事務さんからバレンタインで義理チョコをもらいました。
家に帰ってそのことを伝えると「なんで受け取ってくるの?」とガチギレされたのです。
なんで怒られているのかまったく分らないまま平謝りし、そのチョコを事務さんへ返却することになりました。
いま思い返してみても、あんなにガチギレしたのかわかりません。
しばらくまともに会話もしてもらえないし、嫌気がさしたのが正直な気持ちでした。
もう無理だ、離婚しよう。
もう無理だ、離婚しよう。
そう決意したのは、仕事中にめまいと吐き気で倒れたのがきっかけでした。
毎日のちょっとした、喧嘩や不満が積み重なっていったのが原因だと思います。
職場で新婚生活のことを聞かれるたびに、「毎日充実して幸せなんです」なんて噓をつき、帰宅するときにはため息が自然と漏れるようになっていました。
そして突然、自分の心を誤魔化し続けることに限界がやってきて、仕事中にめまいで倒れてしまったのです。
そのままクリニックへ運ばれ、診察と点滴をしてもらい、早退して帰宅。当時の奥さんへ事情を説明しました。
日頃の行いが悪いんじゃないの?
・・・そうだね。ごめん。
心の中の何かが切れる音が聞こえました。
自分の気持ちには嘘はつけない、自分を守る選択を取ろう。
これが、私が離婚を決断したきっかけです。
離婚を決断したあとの3つの問題
離婚を決断した後、私が直面したのは、ただ単に2人の道を分けるという作業だけではありませんでした。
特に、大きな壁となった3つの問題点について解説します。
両親・義父母への謝罪
自分の結婚に賛成していた両親に対して離婚したいと伝えたことは、自分の人生の中で最も心を痛めた出来事です。
私のことを受け入れてくれた義父母に対して謝罪しに行ったことも忘れられません。
離婚に至るまでの感情をすべて正直に伝えるわけにもいかず、自分の至らなさが原因で結婚生活が上手くいかなかったと謝罪しました。
自分の決断によって悲しむ人たちがいる
その事実が私の自己肯定感をさらに下げていきます。
財産分与
離婚の過程において、避けて通れないのが財産分与です。
あなたの奨学金を返済することに私も必死に努力してきた。
お金で揉めることは避けたかったし、何より一秒でも早く離婚したかったので、相手側の希望はすべて了承しました。
実質的には慰謝料といえるでしょう。
結婚生活で貯めたお金と個人の貯金は全額譲渡で離婚成立です。
正直納得はしていませんが、自分の心に嘘はつけません。
お金はこれから稼げばいいと思い、ウン百万円の借金を背負うことを決めました。
引っ越しと転職
離婚が成立した後、新たな生活を始めるために県外へ引っ越しました。
もちろん、転職活動も同時並行です。このとき、転職サイトを利用しました。
転職サイトを利用した主な理由は以下の通りです。
- 給料の高い企業を探したかったから
- 引っ越し先は年収次第で決めようと思ったから
- 離婚直後で体力的・精神的な余裕がないから
ただ、この転職事例は参考にならないかもしれません(笑)
金銭的余裕ゼロだったので、とにかく給料の高い場所へ転職したかったのが最大の理由です。
そのため、高年収を提示してくれる企業が見つかればどこへでも引っ越すつもりでした。
また、離婚直後で疲弊していたため、ひとりで転職活動することが厳しい状況だったのも理由です。
離婚直後とその後で変わった、こころの変化
離婚直後は誰にも会いたくない
離婚した直後は誰にも会いたくない気持ちでいっぱいでした。なぜなら、
そう思っていたからです。
家族や友人・会社の先輩から祝福されたのにも関わらず、あっさりと結婚生活を終わらせたことに対する罪悪感のようなものを抱いていました。
そうしたマイナス思考でいるうち、気力も失っていくのも感じましたし、このままでは危険だと思いました。
だからこそ、誰も知り合いのいない、県外へ引っ越ししてゼロからやり直そうと必死だった気がします。
必死に仕事したら見える景色が変わった
これまでの嫌な思いを払拭するために、転職先で必死に働きました。
誰がみても頑張ってたと思います。
そのおかげで、周りの信頼や以下のような仕事上のスキルを身につけました。
- 圧倒的な仕事の処理スピード
- 情報収集能力
- コミュニケーション能力
周囲のスタッフからの信頼・評価は高くなり、プライベートでも親しくさせてもらいました。
周りの話を聞くと、離婚歴のある薬剤師はもちろん、バツイチ・バツニのスタッフだっています。
そう気づいたのは、離婚して1年以上過ぎたタイミングでした。
このことに気づけたあたりからようやく、自信を取り戻しはじめ、前向きに考えられるようになりました。
離婚したって自分の価値は変わらない
結婚というライフイベントは、私にとって薬剤師キャリアを大きく変えるきっかけとなりました。
結婚生活は順風満帆とはいかず、離婚という決断をしましたが、この選択は決して間違っていなかったと思っています。
離婚という経験は決して望むものではありませんが、それがもたらす変化は前向きなものです。
自分自身を成長させる機会として受け入れ、再スタートを切れれば、新たな道が開けます。
この記事が、同じような境遇にある方々にとって、少しでも希望や勇気を与えることができれば幸いです。