確定申告、どうやったらいいのか分からない…。
ダブルワーカーの薬剤師の方にとって、確定申告は避けて通れない重要な手続きです。
ダブルワークで収入を得た場合、年末調整だけでは済まず、確定申告をしなければなりません。
本記事では、ダブルワークの確定申告のやり方に関して注意すべきポイントを解説します。
申告の流れから必要書類の種類・提出先まで、詳しくお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
- ダブルワークの確定申告のやり方
- 確定申告が必要になる4つのケース
- 確定申告が不要になる3つのケース
- ダブルワークの確定申告でよくある質問
ダブルワークの確定申告のやり方
ダブルワークの確定申告のやり方は、大きく分けて次の3ステップになります。
本業の収入とは別に、ダブルワークで所得がある場合、本業の勤務先で年末調整をした上で、確定申告しなければなりません。
STEP1.確定申告に必要な書類の準備
確定申告するにはいくつかの書類が必要ですが、給与所得か雑所得かどうかによって、必要となる書類は異なります。
ダブルワークで得られた収入が、
給与所得の場合 | 雑所得の場合 |
---|---|
確定申告書AまたはB 源泉徴収票(本業分と副業分) 身分証明書 マイナンバーカードまたはマイナンバー通知書 | 確定申告書AまたはB 源泉徴収票(本業分) 業務委託先からもらった支払調書 身分証明書 マイナンバーカードまたはマイナンバー通知書 |
本業のほかに、別の会社でダブルワークとして働いている場合は給与所得、Webライターなどの業務委託契約で得た収入は雑所得として扱われます。
支払調書とは、企業がフリーランスや個人事業主に業務を発注し、報酬を支払ったときに作成する年間の支払金額や源泉徴収税額が記載された法定調書のことです。
源泉徴収票は、すべての勤務先から入手する必要がありますが、提出は必要ありません。
なお、身分証明書として、マイナンバーカードが必要になります。
マイナンバーカードがない場合、マイナンバーの記載された住民票などのマイナンバーの番号を確認できる書類と、運転免許証や保険証などの身元確認書類をそれぞれ用意してください。
また、書類ではありませんが、還付の際には振り込み口座の情報も必要になることを覚えておきましょう。
STEP2.確定申告の書類作成
まずは、確定申告書の第一表を作成しましょう。
以下の書類が第一表であり、コチラからダウンロード可能です。
先述の通り、給与所得が雑所得かにより、記入箇所が異なるので注意しましょう。
ダブルワークで得られた収入が、給与所得の場合は以下の通りです。
給与所得の場合 |
---|
1)㋔に収入金額を記入 |
2)⑥に収入金額から「給与所得控除」などを控 除した後の金額を記入 |
対して、ダブルワークで得られた収入が雑所得の場合、以下の部分を記入してください。
雑所得の場合 |
---|
1)㋖に収入金額を記入 |
2)収入金額から必要経費を差し引いた雑所得の 金額を⑧に記入 3)⑧の金額をそのまま⑩に転記 |
このように、手書きで記入して作成する方法もありますが、ほかにもいくつかの作成方法があります。
- 確定申告書等作成コーナー
国税庁HP・確定申告書作成コーナーから作成する方法。手順に沿って記入すると、税額が自動計算されて便利な上、そのままe-taxで申告することが可能。 - 確定申告会場
確定申告会場で自分で作成する方法。確定申告の時期になると税務署などに設置される。サポートスタッフが常駐しており、質問に答えてもらうこともできる。 - クラウドサービスやソフトウェアの使用
やよいの青色申告オンラインや「マネーフォワードクラウド確定申告などのクラウドサービスやソフトウェアを使用する方法。税額が自動計算されるため利便性は高い。 - 税理士に作成依頼
税理士などに依頼し、確定申告書を作成してもらう方法。費用はかかるが正確な書類を作ってもらえて時短になる。
私は確定申告書作成コーナーで作成しています。
STEP3.確定申告の書類提出
確定申告書が完成次第、税務署へ提出しましょう。
申告方法は主に以下の3つです。
- e-Tax(電子申告)
オンライン上で行える手続き。確定申告書作成コーナーで作成した確定申告書・収支内訳書などが対象となる。 - 郵送による提出
管轄の税務署に郵送して提出する方法。
消印の日付が提出日となる点に注意が必要。 - 税務署に直接持参
税務署や確定申告会場の窓口に直接提出する方法。
税務署の時間外収受箱に投函も可能。
自分の都合に合わせた提出方法で構いませんが、提出期限は2月16日〜3月15日と決まっています。
提出期限を過ぎないよう、注意してください。
確定申告が必要になる4つのケース
大半のケースは、勤務先で年末調整が行われるため確定申告を行う必要がありません。
ですが、上記4つのいずれかに当てはまる場合は、確定申告が必要になります。
また、国税庁ではチャットボットのサービス提供をしており、確定申告が必要かどうかの確認が可能です。
» 国税庁チャットポット ふたば(外部リンク)
このほか、税に関する身近な質問を集めた国税庁タックスアンサーも確認してみてください。
ダブルワーク先でも年末調整を受けている
本業の職場だけでなく、誤ってダブルワーク先でも年末調整を行ってしまったケースでは、確定申告が必要になります。
このようなケースでは、控除が重複してしまい、正しい税額が計算できなくなってしまうのです。
意図せず納税不足となってしまい、ペナルティが課せられてしまう可能性もあります。
このような事態を避けるためにも、年末調整を2か所以上で行ったときは確定申告を行いましょう。
どの勤務先からも年末調整を受けていない
パート・アルバイトの掛け持ちなど、2か所から給与所得を得ながらも、どこからも年末調整を受けていない場合も確定申告が必要です。
あまり多くないケースですが、単発派遣やパート勤務を掛け持ちしている場合に起こり得ます。
原則、年末調整は1か所のみ
どこからも受けてないときは、確定申告が必要になります。
年間20万円を超える副収入がある
給与以外に副業で20万円を超える所得がある場合でも確定申告が必要になります。
この収入は、給与所得・雑所得どちらも対象です。
Webライター・ブログなどの副業で20万円以上の収入(雑所得)を得た場合はもちろん、パート勤務で20万円以上の給与所得がある方も対象になります。
各種控除を受けたい
住宅ローン控除や医療費控除などの各種控除を受ける際は確定申告を行いましょう。
住宅ローン控除とは
個人が住宅ローン等を利用してマイホームの新築、取得又は増改築等をした場合で、一定の要件を満たすとき、所得税の減税が受けられる制度のこと。
医療費控除とは
その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費が一定額を超えたときに適用される控除のこと。
また、ふるさと納税(寄付金控除)を活用している方も確定申告を行いましょう。
確定申告によって税金の一部が戻ってくる可能性があります。
特に、サラリーマン薬剤師の方は控除対象になるものが少ないため重要です。
確定申告が不要になる3つのケース
確定申告が不要になるのは、以下3つのケースになります。
すべての給与所得をまとめて年末調整した
本業以外のところからの給与も含め、すべての給与を合算し、1か所で年末調整を受けた場合は確定申告は不要です。
本業の職場がダブルワーク・副業に理解があるようなケースでは、まとめて年末調整してくれる企業もあるようです。
給与収入が103万円以下
1月1日から12月31日までの給与収入合計額が、103万円以下であれば確定申告が不要です。
つまり、アルバイトやパートで得た年収が103万円以下の場合、確定申告の必要はありません。
いわゆる、「103万の壁」といわれるものですね!
年末調整を受けていない所得が20万円以下
ダブルワークや副業で得られた年間所得が20万円以下の場合、確定申告は不要になります。
「副業の20万円ルール」とも呼ばれたりしますね!
ただし、医療費控除やふるさと納税などで確定申告を行う方は、副業で得た給与所得が20万円以下であっても申告が必要です。
【FAQ】ダブルワークの確定申告でよくある質問
まとめ
今回の記事では、ダブルワークの確定申告のやり方を中心に解説しました。
確定申告が必要になるのは、以下の4つのケースです。
確定申告を忘れたり、申告期限を過ぎたりしてしまうと、延滞税や無申告加算税などのペナルティが発生してしまいます。
こうしたトラブルを避けるためにも、今回の記事を参考にしながら確定申告の作業を進めてください。