ハローワークと転職エージェント、どっちを使うべきなんだろう…。
ハローワークは国が運営する公共の就職支援機関であるのに対し、転職エージェントは民間企業が提供する転職支援サービスです。
結論、どちらのサービスを利用すべきかは、今までのキャリアや希望する条件によって異なります。
そこで本記事では、ハローワークと転職エージェントを徹底比較。
自分に適した転職支援サービスが選べるよう、さまざまな視点から両者を比べてみました。
- ハローワークと転職エージェントの違い
- それぞれのメリット・デメリット
- 自分に合った転職支援サービス
コタロ
ハローワークと転職エージェントの違いを徹底比較
ハローワークと転職エージェントの主な違いは、以下の表をご覧ください。
比較項目 | ハローワーク | 転職エージェント |
---|---|---|
運営元 | 公共機関 | 民間企業 |
サービス利用料 | 無料 | 無料 (企業が支払う) |
求人情報の範囲 | 中小企業が中心 | 幅広い業界・企業 |
サポート内容 | 必要最低限 | 手厚い (面接対策・給与交渉など) |
求職者のアプローチ | 自分で求人を探す必要あり | エージェントが求人を提案 |
どちらのサービスも無料で利用できますが、基本的には転職エージェントの方が対応できる範囲が広いと言えるでしょう。
取り扱う求人数
ハローワークと転職エージェントの求人数の違いは以下の通りです。
ハローワーク | 転職エージェント |
---|---|
約6,800件の求人数 地元の中小企業が多い | 数万件の求人数 中小から大手まで幅広い 非公開求人の取り扱いもあり |
ハローワークは、全国の求人情報を取り扱う公共職業安定所です。
厚生労働省によると、2024年9月現在、ハローワークには約200万件の求人が登録されています。
膨大な求人数ですが、薬剤師向けの求人だけに注目すると、6,800件ほどしか掲載されていません。
(※2024年9月現在)
求人のほとんどは、地元の中小企業というのも特徴ですね。
対して、転職エージェントの場合、数万~十数万件の求人を取り扱っています。
中小企業から大手企業まで幅広く、企業側が一般公開を避けている非公開求人も含まれているのが特徴です。
求人の質や傾向
ハローワークと転職エージェントでは、求人の質・傾向も異なります。
ハローワーク | 転職エージェント |
---|---|
見かけの給与水準は低め 企業情報は最小限 パート・アルバイト求人も | 高額求人が多数 コンサルタントが細部をリサーチ 正社員・パート・派遣と幅広い |
ハローワークは、地域に根差した中小企業が多く、高年収求人を見かける機会は多くありません。
企業側が無料で求人を掲載できるため、簡素な求人で情報が不十分な場合もあります。
そのため、キャリアアップ・収入アップを目指す人は物足りなさを感じるかもしれません。
一方、転職エージェントは高額求人がひと目で分かり、不透明な部分はコンサルタントがリサーチしてくれます。
調剤薬局や病院の求人はもちろん、製薬企業や医療系ライターの求人を取り扱う転職エージェントもあるめ、キャリアチェンジを目指す方に最適です。
受けられるサポート
ハローワークと転職エージェントそれぞれで受けられるサポートは以下の通りです。
ハローワーク | 転職エージェント |
---|---|
求人情報の提供 職業相談 職業訓練の紹介 応募書類の基本的なアドバイス | キャリアカウンセリング 求人紹介 履歴書等の作成支援 面接対策 企業との条件交渉 |
ハローワークの場合、求人情報の提供や失業給付の手続き・職業訓練の紹介などを行ってくれます。
また、職業訓練コースの案内もありますが、薬剤師が利用するケースはほとんどありません。
就職に必要な技術や知識を身につけられる、公的プログラムのことです。無料で利用できます。
ハローワークのサポートを受けるには、意欲が高く、最低限の自己管理能力が無ければ難しいでしょう。
転職エージェントでは、業界に精通したキャリアアドバイザーがあなたの担当者として転職をサポートしてくれます。
キャリアカウンセリングや求人紹介はもちろん、応募書類(履歴書や職務履歴書)の添削・面接対策も対応可能です。
面接の同行まで対応してくれるところもあり、企業との条件交渉も請け負ってくれます。
転職エージェントは、初めて転職活動に挑戦する方にとって、心強い味方になってくれるのは間違いありません。
ハローワークの特徴やメリット・デメリット
ハローワークは、薬剤師にとっては身近な存在とはいえませんが、特徴やメリット・デメリットは押さえておきましょう。
個人的には、ハローワークを利用した転職の方が、離職率は少ないように思います。
ハローワークの特徴
ハローワークの特徴は以下の通りです。
- 求人情報は中小企業が中心
地域に根差した個人経営の求人が充実している - 職業訓練コースの提供
薬剤師から異業種へ挑戦したいときにおすすめの公的サービス - 失業保険の給付
求職活動だけでなく、失業保険や再就職手当などの申請・手続きが可能
» 再就職手当とは?(準備中)
ハローワークは、国が運営する公共職業安定所ですあり、全国に544箇所の窓口を構えています。
利用はすべて無料で、薬剤師に限らず、幅広い求職者にサービスを提供しているのが特徴です。
ハローワークのメリット・デメリット
ハローワークのメリット・デメリットを以下にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
地元企業の求人が豊富 職業訓練コースも利用可能 転職エージェントへの報酬が不要(企業側のメリット) | 大手企業や高額求人は少ない サポートは限定的かつ最低限 |
ハローワークは、地元の中小企業の求人が多いため、腰を据えて長く働きたい方におすすめです。
企業側は、転職エージェントに対する成果報酬を支払う必要がないため、応募者の実績・人柄などをトータルで評価してくれます。
また、職業訓練コースを活用すれば、薬剤師から他業種へのキャリアチェンジも不可能ではありません。
一方で、大手企業や高額求人の取り扱いはほとんどなく、転職サポートは必要最低限の内容です。
転職活動が初めての場合、ハローワークは難易度が高いと感じるかもしれません。
ハローワークをおすすめしたい人
ハローワークをおすすめしたい人は以下の通りです。
- 地元で長く働きたい人
- 薬剤師からキャリアチェンジを目指す人
ハローワークを利用する最大のメリットは、転職エージェントを仲介しないところにあります。
転職エージェントを利用した場合、企業は内定者の年収に応じて、成果報酬を支払わなければなりません。
» 薬剤師は転職サイトを選ぶなと言われる理由(準備中)
経営者の中には、
転職エージェントは利用しないという考えの方もいます。
「企業の利益は従業員に還元したい」
「自然と薬剤師が集まる薬局にしたい」
このように、従業員を大切にする企業がハローワークの求人の中には隠れているのです。
ハローワークは転職エージェントと比較すると、求人数は少なく、受けられるサポート内容も限られています。
ですが、企業側のメリットも考えると、ハローワークのサービスは転職エージェントに見劣りしません。
特に、愛着を持って長く働きたいと考える場合、ハローワークの利用は最適解のひとつと言えるでしょう。
転職エージェントの特徴やメリット・デメリット
転職エージェントは、薬剤師の転職活動を徹底的にサポートしてくれる、民間企業の転職支援サービスです。
転職エージェントの特徴
転職エージェントの特徴を以下にまとめました。
- 非公開求人
一般公開されない求人(非公開求人)は転職エージェントを通じた転職活動でなければ出会えない - アドバイザーによる充実したサポート
業界に精通した専任のキャリアアドバイザーが転職活動をサポートしてくれる - 給料等の条件交渉も
面接対策だけでなく、給料などの条件交渉まで請け負ってもらえる
転職エージェントは、民間の転職支援サービスであり、企業と求職者を仲介しマッチングさせるのが仕事です。
転職を成功させるため、求人の情報収集・履歴書作成・面接対策・条件交渉まで、幅広いサポートが最大の特徴になります。
転職エージェントのメリット・デメリット
転職エージェントのメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
求人の種類が豊富 効率的な転職活動が可能 ハイクラス転職が目指せる | 担当者に依存するところが大きい 連絡が頻繁になることも |
転職エージェントでは、大手企業から中小企業・医療系ライターまで、さまざまな求人を取り扱っています。
また、転職活動のほとんどすべてをサポートしてくれるため、働きながら次の職場を探すことは難しくありません。
非公開求人も取り扱っており、キャリアアップ・年収アップに成功する確率は高くなります。
ただし、転職活動の大半を転職エージェントに任せるため、担当者に依存するところが大きいのは否めません。
自分自身の希望や条件を明確に伝えることが、転職エージェント利用のポイントです。
転職エージェントをおすすめしたい人
- 初めて転職活動をする人
- 年収アップを狙う人
初めて転職活動する人・年収を狙う人にとって、転職エージェントは心強い味方になるでしょう。
転職活動のすべてをこちらの記事にまとめましたが、ひとりで転職活動を進めるのは、心身ともに大きな負担となってしまいます。
転職初心者の場合、何からはじめたらいいのかも分からず、求人応募するまでに相当苦労するはずです。
転職エージェントを利用すれば、求人検索から履歴書の準備・面接日程の調整・条件交渉まで請け負ってもらえます。
非公開求人や高額求人を探してもらうことで、キャリアアップ・年収アップの成功確率は間違いなく上がるでしょう。
薬剤師が転職するときはどっちがおすすめ?
薬剤師の転職活動において、ハローワークと転職エージェントどちらがおすすめかまとめました。
初めての転職なら転職エージェントがおすすめ
初めての転職なら、転職エージェントの利用をおすすめします。
- 手厚いサポート
求人紹介から履歴書作成・面接対策、条件交渉まで対応可能 - 高額求人・非公開求人
初心者でも、薬剤師ならハイクラス転職も狙いやすい - キャリアアドバイザー
業界に精通しており、的確なアドバイスが受けられる
もし、「労働条件や給与の交渉なんて…」と不安に感じていたとしても、心配はいりません。
専任のアドバイザーがあなたのスキルや経験に基づき、最適な求人を提案し、企業との交渉を代行してくれます。
初めての転職活動では、ファーマキャリアにお世話になりました。
経験者ならハローワークを使ってみよう
転職経験がある方、ひとりで転職活動を進められる方ならハローワークがおすすめです。
- 地元企業が豊富
地域に根差した中小企業の求人が豊富
Iターン・Uターン転職向きの求人が多い - 成果報酬は発生しない
公的機関のため企業が支払う経費は最小限
転職エージェントのような成果報酬は発生しない
求人の情報収集はもちろん、履歴書・職務経歴書の作成や面接・職場見学など、すべて自分で行えるならハローワークを利用しましょう。
転職エージェントのような成果報酬(手数料)が発生しないため、企業としてもフェアな気持ちで求職者の評価に臨めます。
「腰を据えて長く働きたい」
と考える方には、特におすすめです。
まとめ
ハローワークと転職エージェントには、それぞれ異なる特徴があることを理解しましょう。
ハローワーク | 転職エージェント |
---|---|
地元の中小企業の求人がメイン サポートは最小限 企業側も利用料はかからない | 企業規模や業種を含めた幅広い求人 万全のサポート体制 求職者は無料(企業は有料) |
結論、初めての転職活動なら転職エージェント、転職経験者ならハローワークがおすすめです。
これまでの経歴・保有資格、今後の展望など、自己分析から行うことで転職の成功確率は格段に向上します。
もし、転職活動や仕事の悩みを打ち明けられずにいるなら、公式LINEからご相談ください。
どちらの転職支援サービスも、正しく活用することが重要です。
両者の特徴やメリット・デメリットを押さえ、あなたに合ったサービスを利用してください。